非常食は何日分?

非常食


・作り置きのおかずも立派な「非常食」


地震や大雨といった災害は、季節・地域を問わず日本全国で起こっています。

ネットやテレビで恐ろしい情報を目にすれば誰もが不安になり、何かしら備えようと思うもの。

防災アクションで、まずは非常食の備蓄からスタートする方も多いのでは?

何をどれくらい用意したらいいのか迷いますよね。


非常食と聞くと、なにか特別なアイテムを用意しなければいけないと思いがちですが、備えのポイントは「保存のきく食料品が、どれくらい家の中にあるか」という点です。

つまり、普段から作り置きしている食材、お惣菜や、炊いたあとに冷凍しているお米、まとめ買いしたレトルト食品やお菓子も「非常食」の一部なのです。


慣れ親しんだ食事ができることは、非常時の大きな安心感につながります。

しかし先に述べたような食料は日常生活のなかで短期間のうちに食べてしまうことが多いので、自宅の防災備蓄として総量を把握しつづけることが難しいという弱点もあります。

管理のしやすさを求める場合は、あらかじめ長期にわたる保管を目的として設計された非常食をまとめて用意しておくと、いつでも備蓄量が確認しやすくなります。


非常食は最低限でも3日分を用意することが推奨されています。


これは、電気・ガス・水道などの生活インフラがダメージを受けるような大災害が起きた場合、通信や交通などを含めたライフラインの復旧には3日かかるとされているからです。

また、救命活動の現場では、災害直後72時間(3日間)が勝負と言われています。

「黄金の72時間」、「72時間の壁」とも呼ばれる、被災者を高い生存率で救出できる、この期間は、何よりも人命救助が最優先されます。


これらの理由から、災害発生後の3日間は物資の支援を期待するのではなく、自分の力(備蓄)で生き抜くことが不可欠になります。

深刻な災害であるほど、支援物資の到着やインフラの復旧には時間がかかります。


最低限3日分、できれば7日分以上の備蓄を心がけましょう。


飲料水は1日あたり3ℓの備蓄が目安ですが、とくに食事の必要量は個人ごとに違い、年齢や体型によっても食生活に大きく左右されます。

一緒に暮らす家族など全員が十分に食べれるだけの総量を知るために、いつもの食生活を改めて観察してみましょう。


どれくらいの量が必要かわかったところで、つぎは何を備蓄するか考えましょう。

非常食を用意するときの考え方のキーワードになるのは「バリエーション」と「温度」です。

ストレスだらけの避難生活において、食事は数少ない、お楽しみの時間。

すこしでも満足度の高い食事を実現するためには、いくつかのポイントがあります。


そのひとつが「バリエーション」


一皿のボリュームを求めるよりも、品数が多い方が味覚を豊かに刺激してくれます。

和食と洋食、塩辛い味付けと甘い味付け、といった味や食感のバリエーションの幅にも気を配ってみましょう。

味覚に変化を与えることは、総量をふやさずに満足感を得るために役立ちます。


もうひとつのポイントは、食事の「温度」


状況によっては電気やお湯の確保が難しくなることも想定されますが、温かい食事は心が落ち着いて満足度が高くなるものです。

みそ汁やレトルトカレーやアルファ米(水もどし米)など、常温でも食べられて、温めることでより、美味しく食べれる非常食を取り入れておくのが、おすすめです。


味や食感のバリエーションに幅があり、温度変化を楽しめるメニューを用意できると、非常時も食事の時間が豊かなものになり、ワンランク上の防災備蓄を実現できるでしょう。