・火災通報装置IP回線網移行とは?
令和元年に総務省から令和6年にかけ消防署指令台(消防機関)の固定電話回線が徐々にインターネット回線や光回線等のIP回線への移行すると通達がありました。
それにより消防署指令台(消防機関)の電話回線がインターネット回線や光回線等のIP回線へ移行されていくと想定されます。
・消防署指令台に連絡する装置とは?
火災通報装置という消防設備の機械があることをご存知でしょうか?
火災の信号を受けて自動で消防指令台(消防機関)へ電話して録音されている建物名称、住所などを伝える機械です。
詳しくは前回のブロブに記載されていますので、ご覧ください。
・消防署指令台がIP回線になると、どうなる?
消防機関がIP回線化され逆信時に不通が発生する可能性があります。
火災通報装置につなげている電話回線の契約の確認をしてください。
・火災通報装置専用の電話回線契約の確認方法
回線契約の確認は個人情報の為、必ずお客様からNTT等の電話会社へ確認してください。
NTT等への問い合わせには火災通報装置につながっている電話回線の電話番号が必要となります。
請求書や契約書などに記載されていますが、分からない場合はNTT等の電話会社へ問い合わせしてみるか、消防設備業者や点検業者に電話番号の確認をしてみてはいかがでしょうか。
・点検時は?
点検実務規程にて火災通報装置の点検項目で「支障が生じるおそれのない電話回線を使用すること」とあり、指定の回線契約や対応機種以外が使用されている場合、火災通報装置による通話が出来ず点検不備になる可能性があります。
火災通報装置がIP電話回線等に対応していない機械ですと、点検時に不備となる可能性があります。
・点検報告として
消防設備の点検業者から点検報告書が点検後に郵送又は、直接持ってくると思います。
点検報告書の設備名「消防機関へ通報する火災報知設備」が火災通報装置の点検内容となります。
「消防機関へ通報する火災報知設備」の「点検結果報告書(点検票)その1」の「通話終了後の呼び返し」欄が×表示になっていると思います。
「点検結果報告書(点検票)その2」の備考欄に詳細など記載されている場合がありますので、点検票を確認してみてください。
・備考欄に記載される内容の一例
・回線のみが適合していない場合
「※IP回線化移行によりご使用の電話回線が適合しておりません。指定の回線契約へ変更が必要です」
・火災通報装置が適合していない場合
「※IP回線化移行により火災通報装置本体が非対応品となります。適応型火災通報装置への変更が必要です。」
・回線契約が不明の場合
「※IP回線化移行に伴い、電話回線の種別並びに本体機種により使用できない可能性が有ります。回線契約のご確認をお願いします。」
・IP電話回線使用の注意
建物でIP回線を導入しており、火災通報装置の電話回線もIP回線で使用している施設は注意が必要です。
①市外局番から始まる10桁の電話番号か。050から始まる電話番号は使えません。
②消防機関への発信は可能か。呼び返しも通話ができるか。
③IP回線を接続する回線終端装置(モデム)に専用のUPS(無停電電源装置)があるか。
※モデムには電源の予備電池が無い為、停電時に電話回線が使えなくなり、火災通報装置が使用できなくなります。
その為、モデムのコンセントをUPSにつなげる必要があります。
④電源部(コンセント)に『火災通報装置』の表示と「接続部(コンセント)の脱落防止措置」がされているか。
※コンセントを間違えて抜いてしまったり、コンセントケーブルに足が引っ掛かりコンセントが抜けてしまうと、火災通報装置が正常に機能しなくなります。
・まとめ
消防機関のIP回線の導入時期に関しては地域により異なる為、具体的にいつからとは断定できませんが総務省並びにNTTより通知されていることから、順次切り換えいくと予想されます。
この設備は火災等、有事の際に施設の関係者が自動または手動にて消防機関へ通報する大変重要な設備となります。
火災通報装置に「平成28年4月改正告示適合品」の表示。
火災通報装置の電話回線の種別の確認。
IP回線(光回線など)のモデムにUPSが接続されているか。
以上のことを契約している点検会社へ確認してください。
火災通報装置はロムの作成や所轄消防署との打ち合わせに時間がかかりますので、早めの検討をお願いします。