東京23区 地震危険度
・市街地のリスクを徹底調査
東京都は2022年10月「地震に関する地域危険度測定調査（第９回）」の調査結果を公表しました。
この調査は東京都震災対策条例に基づいて、1975年から約５年おきに実施。
都内の市街化区域に指定されている5,192町丁目が対象で、同じ揺れの強さに遭遇した場合を想定しています。
建物倒壊危険度と火災危険度を合算し、さらに災害時活動困難係数（災害活動に必要な空間の多さや道路の整備状況による、避難・消火・救助活動のしやすさ）を乗じることで、エリアごとの危険性を「総合危険度」として評価しています。
・町丁レベルでの危険性を5段階評価
町丁ごとの各危険度は５つのランクに分けられ、ランク１が相対的に最も安全で、ランク５が最も危険性が高い評価です。
・単純な西高東低ではない結果
総合危険度の高い地域は、荒川・隅田川沿いの地域だけでなく、品川区南西部や大田区中央部、中野区、杉並区東部などにも広がっています。
台東区や墨田区などの一部地域では、道路基盤整備が進んでいても、建物倒壊危険度や火災危険度が高いため、総合危険度が高くなっています。一方で中野区や杉並区東部に広がる地域、品川区南西部などの地域では、災害時活動困難係数が大きく災害時の活動がしづらいため、総合危険度が高くなっています。
とはいえ前回（第８回）調査と比較すると、東京都全体での傾向としては、建物倒壊危険量と火災危険量はそれぞれ減っていて、市街地の防災性は向上しているそう。
・東京都23区安全度ランキング
公表された東京都51の区市町ごとに総合危険度ランクの平均値を算出し、ランキング化がありましたので、発表しました。
あくまでも区市町単位であるという点にはご注意を。
23区の中では上位の渋谷区でも、部分的には危険度ランク４の地域があったり、23区ワーストの荒川区でも、南千住や東日暮里の一部はランク１の高評価を得ています。
安全度順位 市区市町 総合危険度ランク平均
1位 千代田区 1.31
2位 港区 1.37
3位 中央区 1.53
4位 渋谷区 1.63
5位 世田谷区 1.77
6位 目黒区 1.82
7位 板橋区 1.84
8位 練馬区 1.86
9位 新宿区 1.97
10位 文京区 2.10
11位 江東区 2.21
12位 杉並区 2.33
13位 台東区 2.38
14位 豊島区 2.42
15位 大田区 2.47
16位 足立区 2.49
17位 江戸川区 2.50
18位 品川区 2.52
19位 中野区 2.62
20位 北区 2.65
21位 墨田区 2.71
22位 葛飾区 2.76
23位 荒川区 3.48
・首都直下地震に備えて
東京では首都直下型地震がいつ来てもおかしくないとされています。
危険度の高い地域では、住民が主体的にまちづくりを検討することや、防災訓練などの防災活動の実施、場合によっては建替えなどによって住宅の耐震性や耐火性を向上させることが推奨されています。
東京都では支援・助成制度を用意しているので、ぜひ地元自治体に問い合わせのうえ活用してみてはいかがでしょう。
日頃からの備えと防災訓練を基本に、家族でできること、地域でできることに取り組みましょう。
