家庭用屋外防犯カメラの選び方と設置のポイント

不審者や泥棒が近づきにくい家にするためには、防犯対策を行うことが大切です。防犯対策にもカギの補強やセンサーライトを設置するなどさまざまな方法がありますが、防犯カメラの設置もその一つです。防犯カメラに興味はあるものの、価格に見合った効果が本当にあるのか不安だし、どうやって選べばいいかもよくわからないので二の足を踏んでいるという方も多いのではないでしょうか。

屋外防犯カメラの効果や一般家庭での設置状況の実態などを参考にしながら、防犯カメラの選び方について考えてみましょう。


防犯カメラに犯罪の抑止効果はあるのか


全国の自治体では、交差点や公園などの公共施設や通勤・通学路に防犯カメラを設置・運用する取り組みを進めています。しかし、実際に防犯カメラを設置することで犯罪の抑止効果はでているのでしょうか。



防犯カメラで犯罪件数がほぼ半減


愛知県刈谷市では、交差点や公園などに防犯カメラを積極的に導入したとこによって、治安が悪化していた町の治安回復を実現しています。刈谷市では、2012年度末に106台だった防犯カメラを17年度には930台まで増強したことで、2012年度には2,239件だった刑法犯認知件数が2017年度には1,200件台前半とほぼ半分にまで減少した効果をあげているのです。

また警察では、令和5年3月末までに29都道府県で2,239台の街頭防犯カメラを設置しているほか、民間事業者による街頭防犯カメラの設置を促進しています。警察は、街頭防犯カメラは被害の未然防止や犯罪発生時の被害者特定・追跡などに有効な対策としています。

刈谷市の事例も、防犯カメラの有効性を示した事例だといえるでしょう。


家庭用防犯カメラの設置は?


自治体や警察での設置が進んでいる防犯カメラですが、家庭用防犯カメラの設置も増加してきています。

2018年に防犯カメラに関する意識調査では、家庭で防犯カメラを設置しているのは約24%で、約4人に1人が防犯カメラを導入していることがわかりました。

防犯カメラを設置した理由は、「空き巣などの侵入者対策のため」という回答が最も多く、「近所で不審者や空き巣などの事件があったため」「らくがきなどのいたずら対策のため」という回答が続いています。近隣での事件やニュースなどで危機感を覚え、防犯意識を高めて導入する家庭が増えているのでしょう。

また、近年は技術の進歩によりコンパクトで低価格なものや離れた場所からでも映像を確認できるネットワークカメラなどが増え、家庭で導入しやすくなった点も一因と言えます。


家庭用屋外防犯カメラの選び方


防犯カメラを選ぶ際には、撮影範囲の広さや明所・暗所での撮影、使い勝手などをポイントにして選ぶことをおすすめします。


撮影範囲の広さ・画質の良さ


撮影範囲は垂直方向も広範囲に撮れるものが良いでしょう。カメラによってはパン/チルト機能(首振り)やズーム機能があるものもあります。

また、防犯目的ですから画質の良さも必須です。防犯カメラの画素数としては100万~500万程のものが多く、画素数が大きいほど解像度が高く精密な映像を撮影できます。しかし、映像を確認する際には画素数に対応したモニターが必要になることに注意が必要です。

約200万画素のフルハイビジョン(FHD)であれば、部分的に映像を拡大しても粗くならず確認が可能です。


雨風に強い耐久性


屋外に設置するため、雨風をしのげる耐久性が必須といえるでしょう。防水・防塵機能が備わっているものを選ぶと安心です。また、ハウジングケースと呼ばれる紫外線・雨風からカメラを守るためのカバーを使用することもできます。


逆光補正機能


日光の影響を受ける可能性があるため、逆光補正機能も重要です。

明るさを自動調整できるため、時間帯によって鮮明にうつせないといった事態を避けることができます。


夜間や暗所での撮影が可能


屋外に設置する防犯カメラは、天気や時間帯によって明るさの影響を強く受けます。照明のない住宅街や駐車場などに設置する場合は、夜間撮影に対応しているかどうかスペックを確認しましょう。暗い場所を撮影するには暗視カメラと紫外線カメラがありますが、暗視カメラは光が足らないと画像が真っ暗になってしまいます。その点、物体が発する紫外線をとらえて撮影する紫外線カメラなら設置場合などの汎用性も広がりますので利便性は高いといえます。


ダミーカメラはバレる?


防犯カメラの設置には費用もかかります。防犯カメラへの要望として低価格化を求める回答が3割います。何も本物でなくてもいいのではないかと、ダミーカメラを設置している人もいるのではないでしょうか。ダミーカメラは、価格もリーズナブルなので見かけ上の防犯対策にはなるかもしれません。録画機能などを搭載していないので電気代も安く済むでしょう。

ただ、実際には録画や記録が出来ないので万が一の場合には役に立ちませんし、ダミーだと気づかれてしまう心配もあります。

やはり、本物の防犯カメラを設置することを考えたいものです。では、防犯カメラを検討する際にはどんな点を考慮すれば良いのでしょうか。


屋外に家庭用防犯カメラを設置する際の注意点


屋外に家庭用防犯カメラを設置する際には、いくつかの注意したいポイントがあります。まず、せっかく防犯カメラを設置したのに死角ができていて空き巣被害に遭ってしまったということのないよう、設置位置や向きなどを検討する必要があります。

さらに、カメラの映像に近隣住民の生活が映り込んでしまう可能性があるため、プライバシーへの配慮も必要となります。