住宅への防犯カメラの設置は、有効な侵入窃盗対策手段の一つ。
しかし、防犯カメラを1台設置するだけでも、10万円程度の費用がかかります。
さらに戸建ての場合、空き巣の侵入口全体の中で窓が53.5%、玄関などの表出入口が21.3%、その他出入口が15.4%、と3箇所で約90%を占めています。
そのため防犯対策のためには最低でも2台以上のカメラを設置するのが理想とされているため、なかなか導入が難しいのが現実です。
こういった状況から、本物の防犯カメラの代わりに、ダミーの防犯カメラを設置しているという家庭も少なくありません。
本物そっくりな見た目のダミーカメラには、一体どの程度の防犯効果があるのでしょうか?
実は、ダミーの防犯カメラを設置することで、かえって空き巣被害に遭うリスクを高める可能性あるというのをご存知でしょうか?
防犯カメラの設置をご検討中の方へ向けて、ダミーカメラの防犯効果と設置リスクについて解説していきます。
ダミーカメラの防犯効果やメリットは?
素人の窃盗犯のけん制には一定の効果がある
ダミーのカメラとは、見た目はそっくりですが、録画やデータの保存といったカメラの機能が一切ついていない、言わば、ハリボテのカメラのことです。
パっと見は本物の防犯カメラとそう違わないため、素人の窃盗犯への威嚇・けん制には一定の効果があると言われています。
警視庁のデータによると、窃盗犯が犯行を思いとどまった理由として、「防犯ビデオ」や「セキュリティシステム」の存在を挙げており、犯人がダミーカメラを本物の防犯カメラと勘違いすれば、犯行を思いとどまる可能性があるのです。
本物より安価で導入できる
ダミーカメラは基本的に安価な価格が設定されているため、本物の防犯カメラと比較すると気軽に導入できる点も大きなメリットです。
ダミーカメラは大がかりな工事が不要で自分で設置できるため、導入コストをかなり抑えることができます。
また、ダミーカメラは撮影・記録を行わないため、電気代やメンテナンス費といった維持費もかかりません。
しかし、窃盗犯が犯行を思いとどまらなかった場合、ダミーの防犯カメラは何の役にも立ちません。
録画やデータ保存といったカメラの機能がありませんから、犯人の手がかりとなる見た目の特徴などを記録しておくことは不可能です。
つまりダミーカメラには、窃盗犯、それも、本物の防犯カメラとダミーカメラを見分けられない素人に対する一定の抑止効果しかなく、設置しても、本当の意味での防犯対策にはならないのです。
ダミーの防犯カメラはプロにはバレる恐れがある
ダミーの防犯カメラはその外観の特徴から、プロの窃盗犯には見破られる恐れがあります。
たとえばダミーカメラの場合は電気配線がないため、録画されてないことが犯人にバレてしまう恐れがあります。
また、本来の防犯カメラであれば通電しているため、ホコリがつきやすくなっています。
対してダミーカメラの場合は電気が通っていないので、ホコリがたまっておらず綺麗な見た目になりやすい傾向にあります。
このように、ダミーの防犯カメラはプロの窃盗犯に対しては見破られる可能性があり、何も防犯対策をしていない状態と一緒とさえ言えるのです。
プロの窃盗犯に見破られないダミーカメラは存在しない
あなたがもし、ダミーの防犯カメラを購入して設置しようとする場合、webやSNSで、効果があった、あるいは「バレない」と評価のダミーカメラを探し、通販やホームセンターなどで購入するのではないでしょうか。
窃盗犯は、素早く安全に犯行を行なえるよう、常に最新の防犯対策について研究しています。
そのため、webやSNS、店舗で見つけて購入できるダミーカメラなら、例え最新のものであっても、もう窃盗犯に知られてしまっていると考えた方が良いでしょう。
たとえ特注で作った精巧なダミーカメラであっても、目の肥えたプロの窃盗犯たちには一瞬で偽物と見抜かれてしまう可能性が高いのです。
ダミーカメラとバレないようにするには、電気配線をダミーで設置する、LEDライトが点滅するものなどを選ぶなど対策が考えられます。
しかし、特に屋外にダミーカメラを設置する場合は、犯人がカメラを観察できるため、バレてしまう可能性が高くなります。
バレないように細心の注意を払って設置しても、目の肥えたプロの窃盗犯には、ちょっとした違和感などから、簡単にダミーカメラであると見破られてしまうのです。