SNSの注意点

子どもから高齢者まで、今や多くの人がSNSを使ったコミュニケーションをしています。

人気スポットに遊びに行ったり、ランチを食べたりしたときなど、楽しい出来事を友達や仲間に伝えたいと思うのは自然なことかもしれません。

ただ、楽しい気持ちで投稿したつもりでも、投稿内容から本人や自宅を特定されてストーカーや空き巣などの被害にあう危険性もあります。

ここではSNSによる犯罪の実情を踏まえてSNSを利用する際の注意点を紹介しましょう。


SNSによる犯罪事例


たとえばSNSによる犯罪では、海に行った写真を友人をシェアしようと投稿したところ、その写真がきっかけとなって個人が特定されてしまいストーカー被害にあうようになったという事例があります。

また、旅行に行った家族が、旅先の写真やメッセージを友人宅のSNSに投稿し、不在であることが犯罪者に気づかれ空き巣に入られてしまったという事例もあります。

さらにSNSに投稿した写真の背景を手がかりに居場所を特定された女性が脅迫被害にあったなどの事例も出ています。

SNSをきっかけに被害にあう子どもも増加しています。

令和5年には、1,665人がSNSを通じて児童ポルノや児童買春の被害にあっていて、被害者の内訳では中学生が44,9%と約半数を占めています。

また、自分の裸や下着姿の画像を送らされる自画撮り被害も増加傾向にあり、こちらも中学生の被害が最も多くなっています。

楽しく使えるSNSですが悪意を持っている人間に犯罪に利用されてしまうことがあるというのがSNSの怖さだといえます。

では、こうした被害に合わないためにはどんなことに注意をすればいいのでしょうか。


個人や居場所が特定される情報に注意


SNSに投稿するとき、個人や居場所が特定されてしまうような情報には注意が必要です。

会話を投稿する場合、会話の中に個人名が入っていれば人物の特定ができます。

また、写真に写り込んだシンボルになるようなものや目立つものによって住所の範囲の特定につながることもあります。

会話や写真を投稿する際は、十分に注意を払うようにしましょう。


留守中の投稿に注意


年末年始、ゴールデンウイーク、夏休みなどの長期休暇は家族で旅行に出かけることも多くなるでしょう。

旅行先での楽しい気分を友人にシェアしたい気持ちはわかりますが、こうした情報をリアルタイムでSNSに投稿してしまうと、自宅を不在にしているのではと思われてしまうことがあります。

実際にネットへの投稿がきっかけで空き巣に入られたケースもあります。


ひとりで留守番の投稿に注意


ひとりで留守番しているときには、ひとりだと気づかれるような投稿や書き込みも危険です。

リアルタイムの投稿を避けるようにした方が賢明でしょう。


知らない人に画像を送らない注意


SNSには、モデルにならないかなどと言葉巧みに誘いをかけて、SNSで裸の画像や下着の画像を送らせようと企む者もいます。

モデルになれると聞いて、知らない相手と軽はずみに会話をしたり画像を送ったりしないように注意しましょう。


知らない人は安易に信用しないように注意


SNSから言葉巧みに話しかけて、親や友達にも相談できないような悩みなどを聞くふりをして子どもを誘い出そうとする犯罪者も存在しており、誘拐や殺人などの凶悪な大事件になってしまうこともあります。

SNSで知り合った人は安易に信用しないように気をつけましょう。


個人情報の書き込みに注意


SNSのプライバシー設定が不十分な場合や友人など相手側の操作によって、自分が思ってもいない範囲まで情報が拡散してしまうこともあります。

個人を特定されるような情報はなるべく書き込みを避けるか、やむをえず書き込みをするときにはプライバシー設定を確認するなど十分に注意しましょう。


位置情報の流出に注意


GPS機能がついたスマホや携帯電話で撮った写真には、撮影日時や撮影した場所の位置情報などが含まれている場合があります。

写真が入っている情報を確認しないでSNSに掲載してしまうと、自分の自宅や居場所が他人に特定されてしまいストーカー被害などにあう可能性もあります。

位置情報付きの写真を投稿しないようにしましょう。

写真に含まれている位置情報を削除する機能をもつ専用のアプリもあります。


他人のプライバシーにも注意


友人と写っている写真を投稿する場合には、友人のプライバシー情報を公開するという認識をもって友人に事前に許可を取ってから投稿するようにしましょう。


書き込みや投稿は慎重に


SNSに書き込みや写真などを投稿する場合には、出しても良い情報かどうかをしっかり見分ける判断力を養うように心がけましょう。

子どもがSNSを使っている場合には、できればSNSのプライバシー設定やセキュリティ認証、アカウントのパスワードを確認しておきたいものです。

また、学校の制服を着たまま写真を撮ったり、友人や知人とのやり取りをむやみに投稿したりすると危険な目に遭うかもしれないという認識させておくことも重要です。

誰とやりとりをしているか、あるいは変な投稿をしていないか、などを時折聞いて確認するようにしましょう。

女性の場合は、投稿した情報によって個人や自宅が特定され、ストーカーなどの被害に可能性も考えられます。

出かけた場所などを隠せば分からないと思っても周辺の情報などから場所がつきとめられる恐れもあります。

投稿するときには情報の内容をそうした目で再度チェックしてから投稿するようにしましょう。


万が一に備えた防犯対策も


SNSによって自宅や個人を特定された場合、悪意をもった人が近づいてきたり侵入窃盗の被害にあったりすることも考えられます。そんな万が一の場合に備えて自宅のセキュリティ対策の強化についても考えておきましょう。